🌿はじめに
「ベッドから落ちてしまうのが心配…」
ご自宅で介護をしていると、この悩みはとても多く聞かれます。
特に認知症や脳卒中後、足腰が弱くなった方では、
- 夜間に起き上がる
- ベッドから降りようとする
- 気づいたら転落していた
ということも少なくありません。
そのため、
「もう床に布団を敷いて寝てもらった方が安全かな?」
と考える方もいます。
たしかに床生活にはメリットもありますが、実は別の問題が起こることもあります。
今回は、床生活のメリット・デメリットと、作業療法士(OT)の視点から考える安全な方法についてお話しします。
🏠よくある困りごと
床生活にすると転落は減るかもしれません。
しかし、その代わりにこんな悩みが出ることがあります。
「起き上がれない」
床から起き上がるには、
- 腕の力
- 体幹の力
- バランス能力
が必要になります。
年齢を重ねたり病気の影響があると、これが意外と大変です。
「立ち上がれない」
床から立ち上がる動作は、椅子やベッドから立つよりも難しくなります。
そのため、
「結局、毎回抱え上げることになる」
というケースもあります。
「介助する家族が大変」
ここは意外と見落とされやすい部分です。
介助する側は毎回、
- 中腰姿勢
- 持ち上げ動作
- 向きの調整
が増えます。
その結果、
家族の腰痛や疲労につながることもあります。
介護は長く続くことが多いため、「続けられる方法か」という視点も大切です。
💡家でできる工夫
① 超低床ベッドを検討する
最近は床面が約15cm程度まで下がる超低床ベッドがあります。
メリット:
✅ 転落時の衝撃を減らせる
✅ 起き上がりを助けやすい
✅ 介助負担が少ない
✅ 介護保険レンタルが利用できる場合がある
床生活と通常ベッドの「中間」のような方法です。
② ベッド周囲に床マットを置く
転落を完全にゼロにすることは難しい場合があります。
そのため、
「転落しないようにする」
だけではなく
「転落しても大きなケガをしにくくする」
という考え方もあります。
③ 手すりや立ち上がり補助を利用する
立ち上がる場所があるだけで、動作は大きく変わります。
介護保険では、
- 据え置き型手すり
- 歩行補助具
- 福祉用具
などが利用できることもあります。
🧠OT(作業療法士)視点のポイント
よくある考え方として、
「転落が危ないから動かないようにしよう」
となることがあります。
でも本当に大切なのは、
「安全」と「その人らしい生活」のバランス
です。
歩くことや動くことを制限しすぎると、
- 筋力低下
- 活動量低下
- 認知機能低下
- 気持ちの落ち込み
につながることもあります。
「何を防ぎたいのか」
「どんな生活を続けたいのか」
を一緒に考えることが大切です。
🌸家族が無理しすぎないこと
介護では、
「本人が安全か」
だけではなく、
「介護する人が続けられるか」
も同じくらい重要です。
家族が疲れ切ってしまうと、介護そのものが苦しくなってしまいます。
一人で抱え込まず、
- ケアマネジャー
- 訪問看護
- リハビリスタッフ
- 福祉用具専門相談員
にも相談してみましょう。
🌈まとめ
床生活は転落予防になることがあります。
しかし、
- 起き上がり
- 立ち上がり
- 介助負担
- 褥瘡(床ずれ)リスク
など、別の問題が出ることもあります。
大切なのは、
「転落をゼロにすること」
だけではなく、
本人も家族も続けられる生活を考えること。
少しの環境調整で、生活しやすさが大きく変わることもあります。
無理をしすぎず、一緒に考えていきましょう。

